投稿日時:2025/12/31 14:05
投稿者:☆まい☆さん
何もしていないのに
心だけが静かじゃない夜がある。
誰にも触れていない。
誰とも会っていない。
それなのに自分の呼吸や体温が、
いつもより近く感じる夜。
思い出しているのは出来事じゃない。
触れた記憶でもない。
ただ触れられそうだった距離。
言葉にしなかった沈黙。
あの時少しだけ残った温度。
欲しいと強く思っているわけじゃない。
今すぐ何かをしたいわけでもない。
でも、欲が消えていないことには
気づいてしまっている。
大人になると欲は騒がなくなる。
代わりに静かに、深く、
体の奥に残るようになる。
抑えてきたからこそ暴れない。
隠してきたからこそ品を失わない。
それは我慢じゃない。弱さでもない。
ただちゃんと選んできたという事実。
夜になると理性は少し距離を取る。
脱ぐわけじゃない。外すわけでもない。
ただ隣に座るだけ。
その曖昧な状態がいちばん色気を持つ。
誰かに触れなくても欲は存在していい。
満たされなくても否定しなくていい。
欲を抱えたまま眠る夜は
少しだけ体温が上がる。
少しだけ眠りが遅くなる。
それでいい。
それが大人の夜。
ここはちゃんとしてきた人が
本音を置いていける場所。
また夜が来たら戻ってくればいい🖤
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