投稿日時:2026/05/19 17:00
投稿者:人妻 紫乃さん
昼間の私は、きっと普通だ。
白衣をまとい、
「大丈夫ですよ」と微笑みながら、
慌ただしく時間に追われている。
ナースという仕事は、不思議だと思う。
人の痛みや不安に触れるたび、
自分の心まで強くなった気がするのに――
どこかで、誰にも見せない“女の部分”も育っていく。
夜勤明けの静かな帰り道。
髪をほどいた瞬間、ふっと肩の力が抜ける。
あの白衣の下に隠していたのは、
責任感だけじゃない。
誰かを癒したい気持ち。
そして、本当は自分も優しく包まれたいという想い。
白衣を脱ぐと、私は少しだけ別人になる。
お気に入りの香りをまとって、
ヒールを鳴らしながら鏡を見る。
昼間は誰かを支えるための私。
夜は、自分の心を甘やかすための私。
その二つは矛盾じゃなくて、
どちらもちゃんと“紫乃”なのだと思う。
「ナースって強そう」
そう言われることがある。
でもね、強い女ほど――
案外、秘め事を持っている。
誰にも見せない願い。
誰にも言えない寂しさ。
そして、ほんの少しの背徳感。
白衣のボタンを外した夜だけ、
私はそんな秘密をそっと抱きしめる。
あなたにもありますか?
昼の顔には隠したままの、
自分だけの小さな秘密。
――紫乃
アーカイブ

